この記事は通信制大学に通う社会人学生が社会福祉士受験資格を得るまでの体験記です。
1か月以上続く社会福祉士の実習。出来ることなら自分の興味のある実習先に行きたいですよね。
実習先を探し始めてすぐ「実習先が見つからない」という壁にぶち当たり、結果として自分が希望する施設で実習することはできませんでした。
社会福祉士実習を終え後から振り返ってみた時に、これはこれでいい経験だったのですが、もう少し違う視点で考えていればスムーズに実習探しができたとも思っています。
この記事を読んで欲しい人
- 実習先を探している
- 希望の実習先に行けず悩んでいる
- これから実習をする予定がある
このような方に向けて、自分の経験を踏まえながらお伝えします。
通信制大学の社会福祉士実習体験談③実習先探しに苦戦
体験実習を終えて、いよいよ社会福祉の実習先を探す段階になりました。
社会福祉士実習は高齢、障害、児童、社会福祉協議会、地域支援センター、病院など、とにかく実習先の分野が広いのが特徴。
正直なところ、これだけあれば「すぐに見つかるでしょ」と余裕をかましていた私ですが、実習先探しの段階になると大苦戦。
実習先が見つからなかった原因
実習先探しに苦戦した理由は2つ。
- コロナ禍により実習の受入れ・延期
- 社会福祉士の実習指導者がいない
1,コロナ禍による実習受け入れ中止問題
コロナ禍で実習先探しに苦戦する学生は本当に多かったです。
感染拡大がひどい時期にたまたま実習を予定していた学生の中には、現場実習には行けず自習室でひたすら時間を過ごした学生もいると聞きました。
私も第一志望の実習先で受け入れ中止が決まり愕然。
社会福祉士実習指導者がいない問題
実習をするには、社会福祉士の実習指導者がいる機関・施設でないと実習先として認められません。
当てにしていた実習が中止になった私は、次なる実習先を探すのですが、実習指導者がいる実習先が見つからず苦戦しました。
地域性や分野も関係しているかもしれません。
社会福祉士実習指導者は社会福祉士資格を取得後、3年以上相談援助業務につき、さらに指定の講習会を受けた人です。
社会福祉士実習先の探し方(通信の場合)
通信の学生が社会福祉士の実習先を探す方法は2つありました。
大学で探してもらう
通学の学生が実習している施設や機関を、通信の学生も実習先として選択することができます。
大学で実習先を探すメリット
- 大学と実習先とのパイプがすでにあり、実習の受入れ実績があるので安心
- 実習の受入れ願いも大学側が全てやってくれるのでラク
大学で実習先を探すデメリット
- 実習先の多くは大学のキャンパスがある県になる
実習期間は長いので、無理なく通える距離でなければ実習先に不向きです。
自分で探す
社会福祉士の実習先に認められる施設・機関であれば自分で実習先を決めることも可能です。
ちなみに、社会福祉士実習に当てはまる施設の一例をこちらの記事で紹介しています。
自分で実習先を探すメリット
- 自宅に近い実習先を探すことができる
- 自分の行きたい施設・機関で実習ができる
自分で実習先を選べる最大のメリットは、自分の住む地域で実習ができることですね。
自分で実習先を探すデメリット
- 実習先を探す手間がかかる
- 実習先が見つからない場合もある
自分で探す場合は実習先として要件を満たしているのか、外部からの実習生を受け入れてくれるのか、全く情報がないので実習先探しに時間が掛かります。
実習先探しで苦戦した理由
実習先探しに苦戦したのはコロナ禍であったことも原因のひとつですが、それ以外にも私の実習に対する思い入れが強かったことも理由です。
実習への理想と固執
今の大学に入ったキッカケは、母子や児童福祉に興味があったからです。
入学時から「実習には母子・児童に関するところに行くんだ!」と勝手に思っていたんですよね。
第一希望は受け入れ中止になったものの諦められなかった私は、実習先になりそうな施設に目処を付けて連絡してみるも見事に実習指導者がいない施設ばかり。
自分の理想がネックとなり実習探しで疲弊する結果になりました。
未経験からの焦り
同じ大学で学ぶ学生の多くは、すでに福祉の仕事をしている人が多い。一方で私は畑違いの仕事で福祉業界を全く知らない。
実習でもない限り福祉の現場を知る事はできませんから、この機会にどうしても自分の希望していた施設に行きたかったのです。
コロナ禍の中、ただでも実習探しに苦労するのに、私の変なこだわりが固執を生みだしていました。
実習先が見つかったキッカケ
希望する実習先が見つからず途方に暮れていた頃、仲間内でこんな会話がありました。
希望してた実習先じゃなかったんだけど、すごく楽しかったよ!
私は彼女たちの話を聞いて目から鱗というか、無駄に固執していた自分が急にバカらしくさえ思えてきました。
現実問題、仕事・子ども・家事もある社会人学生の自分には実習先を選べるほどの時間的余裕もない。
そこから踏ん切りがつき、大学に「自分の住む地域で行ける実習先を探してください」と伝えました。
実習先を決める時のポイント
せっかくなら自分の関心のある実習先に行きたいと思うのが自然な気持ちだと思います。
ですが、社会福祉士実習はとても長いので、現実的な問題も考えなくてはいけません。
- 無理なく通える距離なのか
- 働いている場合、仕事の調整はできるのか
- 家族がいる場合、都合はつくのか
実習には割り切りも大事
社会福祉士実習の目的は実践を学ぶことですが、あくまで実習は受験資格を得る過程のひとつに過ぎないということ。
そして実習を最後までやり遂げる事が絶対条件です。
理想が高いのは素晴らしいことですが、ある意味で割り切った考え方も必要ということです。
自分のやりたいことは社会福祉士の資格を取得してからできます。
まずは、現実的に決められた実習の要件を達成できるのかを考えて実習先を決めることが大切です。
自分に合った実習先を選ぶ
ここでいう「自分に合う・合わない」というのは、自分の嗜好とは別物です。
実習は考えているよりも、心身共に疲れます。
家に帰ってきてからは毎日、実習日誌が待っています。実習先によっては、そこにさらに課題が追加されることもあります。(私は実際そうでした)
実習先によっては土日が実習日であったり、泊まり込み場合もあります。
実習先探しのポイントまとめ
当初、自分の希望していた実習先とは違う所へ実習に行きましたが、結果的にはとても勉強になりました。
自分が関心のあることは、将来的にも自ら積極的に関わろうとします。反対にそうでない事は強制でもない限り自分から進んではいきません。
不安はありますが、自分に向いているか向いていないかは実際にやってみなければわからないことです。
通信の学生は仕事や家庭の制限がある人が多いので、実習探しに苦労することもあるかもしれません。
実習と割り切るのもひとつ。時間的・状況的に余裕があるなら自分の希望するところに行くのも良し。
自分の状況も踏まえて実習先探しをしてみてください。