こんにちは、Izumi(いづみ)です。
社会人学生として4年間通信制大学に通い、社会福祉士の受験資格を得ました。
社会経験はずいぶん長い私ですが、これまで一度も福祉業界に関わったことがなく、実習では戸惑うことばかりでした。
・社会人学生の私が社会福祉士の受験資格を得るまでの経緯
・社会福祉士の受験資格の概要
このブログでは社会福祉士実習の体験をいくつかの記事にわけて記録していきます。
社会福祉士の受験資格を得たいと考えている方の参考にしていただければ嬉しいです。
社会福祉士実習の体験記①通信制大学で社会人学生が社会福祉士の受験資格を得るまで
社会福祉士実習の体験記【第1弾】ということで、福祉業界未経験の私が大人になって社会福祉士の受験資格を目指した経緯をまずお話したいと思います。
社会福祉士の受験資格を目指した経緯
私自身、30歳を少し過ぎ通信制大学に入学しました。選んだのが福祉系の大学(通信課程)
離婚後、悩んでいた時に福祉制度を教えていただいたり、利用する段階でも親切な方ばかりで救われました。
これが福祉に興味を持つキッカケ。
昔から興味のあった心理学が学べたのも今の大学を選んだ理由の一つです。
入学してわかったのは、現役で福祉に関わる仕事をしている方が多いということ。
一方で、私はこれまで福祉に関わる仕事(ボランティア含め)皆無。畑違いの仕事しかしてこなかった上に、若いころ高校を中退しブランクは15年もありました。
私の通っていた大学では、当時コース制が採用されており入学時にどのコースに入るかを選択しなければいけませんでした。
でも、私は福祉の仕事に携わりながら学ぶ学生さんと違い、ただただ漠然と「福祉と心理学を勉強したい!」と思っていただけ。
入学当初は資格を取りたいわけでも専門職になりたいわけでも無かったのです。
ただ、入学した大学がコース制だったので「せっかくなら社会福祉士の受験資格を取れるコースにしよっかな〜!」という非常ーーーっに!緩いものでした。
なので当然、入学当時は「社会福祉士なにする人?」という感じ。
というのも、社会福祉士ってお医者さんや弁護士のような業務独占ではなく名称独占なので、お世辞にも認知度が高いとは言えないのですよね。
少なくとも、畑違いの仕事しかしてこなかった私は、この大学に入ると決めた時まで社会福祉士の存在を知りませんでした。
自分が携わったことがない事柄、職業に対する認識はそんなものですよね^^;
なので「社会福祉士になるには?」「実習ってどんな感じでやるの?」と思っている方にもわかるように、自分の体験談を踏まえながらお話していこうと思っています。
社会福祉士になるにはどうすればいいの?
前提として、社会福祉士になるには社会福祉福祉士国家試験に合格しなければいけません。
しかし、この社会福祉士の国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格を持った人でなければ国家試験を受けることができない仕組みになっています。
社会福祉士の国家試験を受ける為のルート
社会福祉士の受験資格を得るルートは以外と多くて、全部で12種類あります。
その中でも、一番の最短ルートは福祉系大学(4年)で学び指定科目を履修すること。
験資格を得るには?
通信制大学で社会福祉士の受験資格を得るには、4年制大学か短大の大学で指定科目か基礎科目を履修。
短大の場合はさらに相談援助の実務が1年〜2年と短期養成施設などで6ヶ月間以上必要になります。
社会福祉士の受験資格に必要な指定科目
社会福祉士の受験資格を得るには、厚生労働大臣指定の社会福祉士指定科目を履修する必要があります。
- 社会福祉士養成科目の一覧
①人体の構造と機能及び疾病
②心理学理論と心理的支援
③社会理論と社会システム
④現代社会と福祉
⑤社会調査の基礎
⑥相談援助の基盤と専門職
⑦相談援助の理論と方法
⑧地域福祉の理論と方法
⑨福祉行財政と福祉計画
⑩福祉サービスの組織と経営
⑪社会保障
⑫高齢者に対する支援と介護保険制度
⑬障害者に対する支援と障害者自立支援制度
⑭児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
⑮低所得者に対する支援と生活保護
⑯保健医療制度
⑰就労支援サービス
⑱権利擁護と成年後見制度
⑲更生保護制度
⑳相談援助演習
㉑相談援助実習指導
㉒相談援助実習
※今後のカリュキュラム変更により一部の科目が変更されることになっています
大学等(一般養成・短期養成以外)においては①~③の中で1科目選択・⑰~⑲の中で1科目選択すれば良いです。ただし、社会福祉士国家試験では全ての科目が出題されます。
大学によっては、開講科目の一部を”読替の範囲”で対応しているところもあります。
例えば
①人体の構造と機能及び疾病→医学知識
②心理学理論と心理的支援→心理学
④現代社会と福祉→社会福祉概論
このように大学で開講されている科目名が変わっていることもあります。
2021年度から社会福祉士の新カリュキラムが実施されることになりました。主に新科目の創設や実習時間の変更などが行われています。
※新カリュキラムに関する記事は現在作成中です
社会福祉士の受験資格には実習が必要
実務経験のない方が社会福祉士の受験資格資格を得るには、実習が必要になります。
社会福祉士の実習時間は?
社会福祉士新カリュキラムで実習時間が180時間から240時間に変更となりました。
実習の分散
社会福祉士の実習は、約1か月と長い実習になります。
社会人で仕事をしながら資格を取得する人は仕事を休む必要がありハードルが高いです。
そこで大学によっては、実習を分散化できるところもあります。
社会福祉士の実習方法
・1施設型→約4週連続で同じ施設で実習を行う方法
・2施設型→約4週間の実習を2つの施設で分割して実施する方法
※2施設型の実習では、1箇所の実習時間が136時間以上である必要があります。
基本的には、4週連続で実習を行うのが通常。分散して実習を行うのは、やむを得ない事情がある場合のみと言った感じで、2施設型は大学に申請して許可を得る必要がありました。
分散型のメリット
・長期で連続した休みが取れない人にとっては、実習が行いやすい
・種別の異なる実習先で学ぶことができる
分散型のデメリット
・事前学習、実習計画、事前打ち合わせ等、実習の下準備が2倍になる
社会福祉士実習には免除がある
社会福祉士実習免除制度もあります。
厚生労働省令によって定められた指定施設・職種で、専任の辞令と1年以上実務経験があるというのが条件になってます。
実習先の種類
根拠法 | 施設名称 |
児童福祉法 | 児童相談所、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、福祉型障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、指定発達支援医療機関、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業 |
医療法 | 病院、診療所 |
身体障害者福祉法 | 身体障害者更生相談所、身体障害者福祉センター |
精神保健及び精神障害福祉に関する法律 | 精神保健福祉センター |
生活保護法 | 救護施設、更生施設、授産施設、宿泊提供施設 |
社会福祉法 | 福祉に関する事務所、市町村の区域を単位とする社会福祉協議会の事務所 |
売春防止法 | 婦人相談所、婦人保護施設 |
知的障害者の雇用の促進等に関する法律 | 知的障害者更生相談所 |
老人福祉法 | 老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、老人デイサービス事業 |
母子及び父子並び寡婦福祉法 | 母子・父子福祉センター |
更生保護事業法 | 更生保護施設 |
介護保険法 | 介護老人保健施設、地域包括支援センター、居宅サービス事業(通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護)、地域密着型サービス事業(地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護、複合型サービス)、居宅介護支援事業、介護予防サービス事業(介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護)、地域密着型介護予防サービス事業(介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護)介護予防支援事業、地域支援事業(第1号通所事業、第1号介護予防支援事業) |
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設 | 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設 |
発達障害者支援法 | 発達障害支援センター |
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 | 障害者支援施設、福祉ホーム、地域活動支援センター、障害福祉サービス事業(療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助)、一般相談支援事業、特定相談支援事業 |
その他 | 独立型社会福祉事務所(条件あり) |
社会福祉士実習に関する変更・最新の情報に関しては更生労働省のホームページで確認してください。
厚生労働省・社会福祉士養成課程に関するページ
実習先はどうやって見つける?
実習先は大学で見つけることもできるし、自分で探すこともできます。
大学には、提携している実習先があるので、場所を選ばなければ実習先が全くない!ということは避けられると思います。
私の場合は自分で探したことと、コロナ禍の影響もあり実習先探しには少し苦労しました。
社会福祉士の実習費はいくら?
実習委託費
社会福祉士の実習費用としては、委託費87,000円が掛かりました。
※大学により、金額に違いがあります。
その他の費用
実習委託費としては87,000円ですが、実習に行く前には必要な科目を履修する必要もあるため、実際にはそれ以外のお金も多く必要となります。
学費についてまとめているので、参考にしてみてください。
社会福祉士の国家試験
社会福祉士の国家試験はいつあるの?
社会福祉士の国家試験は年1回(2月上旬)に実施されています。直近でいうと、令和4年(第34回)は2月6日(日)に行われました。
大学卒業前でも、卒業見込みとして試験を受けることも可能です。
受験地
北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県
社会福祉士国家試験受験費はいくら?
社会福祉士のみ受験する場合:19,370円
社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合:36,360円(社会16,840円+精神19,520円)
社会福祉士の共通科目免除により受験する場合:16,230円
※令和3年度2月時点
まとめ
次回は、社会福祉士実習の体験談についてお話していきます